■ZEHとは?
 
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システム(LEDなどの高効率照明、高効率エアコン、高効率給湯器)の導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
 



2020年に当時の菅首相が2050年のカーボンニュートラル宣言をして以降、新築住宅におけるZEHの普及拡大の検討が急速に進み、2021年8月には、国土交通省・経済産業省・環境省による「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」において、2030年に目指す住宅の姿として、

  •  ♦新築住宅におけるZEH基準の省エネ性能の確保
  •  ♦新築戸建住宅の6割に太陽光発電の設置

が示されています。

■そもそも外皮の断熱性能とは?
 
今住んでいる家は、結露がひどくて、エアコンの効き目もよくない、という家は、外皮の断熱性能が低く、室内のエネルギーを外に逃がしてしまっています。室内のエネルギーは、室内と室外が接する外壁、床、屋根、天井、窓などから逃げてしまいますが、エネルギーがどれだけ逃げるのかを測る数値として、建築物省エネ法のUA値 (ユーエー値:外皮平均熱貫流率) ※が使われています。
※住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮の面積全体で平均した値で、熱損失の合計を外皮等面積で除した値で、値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
 
ZEH基準は、地域区分別のUA値および一次エネルギー消費量の省エネ基準からの削減率によって定められており、静岡県内では地域区分により、以下の通りとなっています。

※上記以外の地域区分は、静岡県内には該当がないため省略しています。

■さらなる高い断熱性能について
 
国によるZEH化の動きに合わせて、さらなる高い断熱性能の制度化が進められており、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)において、これまで最も高い等級はH28年省エネルギー基準の等級4でしたが、2022年4月にはZEH水準の等級5(UA値0.6)が、2022年10月には等級6(UA値0.46)、7(UA値0.26)が品確法に新設されました。
 

※上記以外の地域区分は、静岡県内には該当がないため省略しています。

さらなる高い断熱性能に向けた動きとして、「HEAT20」という団体(地球温暖化とエネルギー、そして居住者の健康と快適な住まいを考え、2009年に研究者、住宅・建材生産者団体の有志によって発足した団体「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称(呼称))が、積極的な働きかけを行ってきた背景があります。

品確法で新たな等級が新設される以前から、団体は、室内温熱環境のあるべき姿や住宅の省エネルギー基準とは少し異なる観点から「G1~G3」という独自の断熱基準「外皮性能グレード」を提案してきました。(6地域、7地域の場合、G1のUA値は0.56とZEH基準を若干下回る基準、G2はUA値0.46、G3はUA値0.26です。)

HEAT20が提案する住宅外皮水準G1~G3が目指す目安の一つとして、非暖房室の結露の防止といった住まいの健康を主目的に、冬期における最低の体感温度を掲げています。
■新築戸建て住宅におけるZEH基準をクリアする具体的な仕様例
(6地域の場合)

こちらでは、ZEH基準について、具体的なイメージを持っていただくことを目的に、断熱材や開口部からみる外皮性能と、具体的な設備からみる一次エネルギー消費量について、具体的な仕様を例示します。

 
【外皮性能における具体的断熱仕様例と算定結果】
 
【充填断熱工法の場合】
 
 

 
 
 
●外皮性能算定結果
 
 

 
 
 
 
 
■外張断熱工法の場合


 
 
 
●外皮性能算定結果
 
 
 

■給湯設備:エコジョーズ 暖房設備:エアコンを採用した場合



●一次エネルギー消費量計算結果

※太陽光発電システムは4.4kW以上で、ZEH基準をクリア

■給湯設備:エネファーム(コージェネレーション)
暖房設備:温水床暖房を採用した場合



●一次エネルギー消費量計算結果

※太陽光発電システムは4.0kW以上で、ZEH基準をクリア
給湯設備:エコジョーズ 暖房設備:温水床暖房を採用した場合


●一次エネルギー消費量計算結果

※太陽光発電システムは4.8kW以上で、ZEH基準をクリア

■「SHIZUOKA環境みらいの会」が薦める「ふじのくにZEH推進モデル」とは
 
ZEHの基準を満たすためには、外皮性能に加え、一次エネルギー消費量を削減するために、高効率な設備や太陽光発電を導入することになりますが、「SHIZUOKA環境みらいの会」では、実質的に初期投資をゼロにする第三者所有モデルを用いた太陽光発電と、家庭用燃料電池エネファームのセットを「ふじのくにZEH推進モデル」として推奨しています。

 エネファームとセットで太陽光発電設備を最大10kWまで載せ放題で設置でき、購入電力を大幅に削減できます。また、台風や地震といった災害で、インフラが止まってしまっても、電気、お湯、生活用水が使える安心な設備です。

 

※お客さまが所有する建物の屋根を静岡ガスにお貸しいただき、そこに静岡ガス所有の太陽光発電を設置させていただくサービスです。太陽光発電売電収入は10年間静岡ガス&パワー㈱に譲渡します。太陽光発電の所有権は設置から10年間静岡ガス&パワー㈱となり、10年経過後は余剰電力を静岡ガス&パワー㈱に売電することを条件にお客さまへ譲渡いたします。静岡ガスグループのガス供給に限ります。SHIZGASでんきへの加入が必須となります。太陽光パネルメーカーは、選択できません。蓄電設備は設置不可です。床暖房設備は設置可能です。

 
 

■ZEHなら一般住宅に比べて年間約23万円もお得に!
断熱性を高めた住宅に、省エネ性能の高い設備機器を採り入れた場合、これまでの一般住宅に比べて、必要な光熱費を抑えることができます。さらにZEHでは、太陽光発電システムによってエネルギーをつくり出すことがポイントです。昼間に発電した電気のうち自家消費して余った分を「売電(電気を売る)」し、夜間などは電力会社から「買電(電気を買う)」します。家庭用燃料電池エネファームを入れていれば、自宅で電気を発電し、一緒にお湯を作ってくれるので、効率的に電気を使用することができます。

【試算条件】4人家族想定、電気・ガス併用住宅。一般住宅は、旧省エネ基準相当の断熱仕様の木造住宅で、ガス給湯器、一般エアコンを使用。
※ZEH住宅は、エネファーム、太陽光発電システム5.0kW(南面1面設置)を使用
※光熱費は2021年1月時点の電力(中部電力ミライズ)・ガス(静岡ガス)料金プランで試算
※実際の光熱費は、敷地条件、プラン、お客様の家族構成や生活スタイル、保有する家電機器により異なります
※いずれの計算結果も、性能や効果を保証するものではありません
※金額は消費税込みの概算となります

■カラダに優しいZEHに住んで健康寿命を4歳伸ばす!
断熱性の高い住宅では、ヒートショックや起床時の起床時の血圧上昇を抑える効果などの予防・軽減効果が確認されているため、健康寿命が4歳延びているというデータもあります。
循環器系の疾病に加えて、空気の冷たさから起こる喉の痛みや咳、着衣による皮膚のストレス、手足の冷え、アレルギー性鼻炎や結膜炎など、他にもさまざまな健康改善が期待できます。


また、これらの健康改善による医療費の予防効果を金額換算してみると、一世帯当たり年間合計27,000円にも上るというデータもあります。

■もしもの時もZEHの防災機能で家族の安全・安心を守ります!
台風、地震をはじめ自然災害の増えている昨今、「災害に備える」ことは、家づくりにおいて欠かせないテーマとなっています。
生活する上で必ず必要となる「水道」「電気」「ガス」といったライフラインが、自然災害のたびに停止されるニュースを目の当たりにし、事業者は常に災害に備えた対策を講じているものの、災害時には停止してしまう可能性があります。

防災、減災機能の備わったZEHではこのような不安を解消し、安心して暮らすことができます。

 
 
 

停電しても、太陽光発電で発電していれば、専用コンセントから一定量の電気を利用することが可能です。また、家庭用燃料電池エネファームがあれば、太陽光発電が発電していない場合にも、発電を継続してくれ、専用コンセントから最大500W(最長8日間)の電気の利用が可能ですし、発電と一緒に作られるお湯も利用できます。

 
 
 

ガスが止まっても、家庭用燃料電池エネファームには、ヒーター給湯機能が備わっていることから、タンクにお湯を貯めてお風呂や家事に利用できます。

 
 

断水しても、家庭用燃料電池エネファームの貯湯タンクのお湯(水)を生活用水として利用することができます。